ムダマには、カツラ、ブナ、ヒバ、スギ、セン、ハンノキ、マツなどさまざまな樹種が用いられました。地域によって好まれる材に違いが見られます。津軽半島沿岸地域では、下北半島西部と東部、渡島半島南部で、カツラが軽く水切りが良いので最も好まれます。しかし、実際には下北半島西部・東部地域の南部では、入手しやすいブナが最も多く、セン、ハンノキ、ヒバ、スギなども用いられます。下北半島東部の北部はほとんどがスギです。渡島半島南部ではカツラが最も良いとされますが、ほとんどがスギを用いています。津軽半島の西北部と東北部地域では、くさりにくいとしてヒバが好まれ、西北部地域ではタナイタにも使用されます。秋田県北部地方では、スギが主で、カツラも使用されます。青森県東南部・岩手県北部に分布するカッコに使用するムダマはカツラ、イタヤ、マツが使われたが、昭和8年の三陸大津波以後はムダマにブナを使用するようになりました。海岸の船が流されたり、破損したときに、国有林のブナが安く払い下げられたためです。ムダマに接合するハラキはその後もマツが用いられています。
ムダマに接合するタナイタ(カイグともいう)は、津軽半島でヒバを使用する場合が見られる以外、通常はいずれの地域もスギを用いています。