ムダマハギとは「ムダマを使用している船の構造名称」です。ムダマ(※1)は、船底部材に使用する刳り抜き材の名称で、日本海沿岸に広く分布するオモキと類似したものです。(※2)これに対してムダマに相当する部分を、シキとシタダナで構成した船をシマイハギといいます。これはシキを中心にして、左右4枚のタナイタがあることから名付けられたものです。シキの両側にシタダナがつき、その上にウワダナが接合されます。ハグとは船材を接ぎ合わせることで、船をハグとは造船を意味します。
ムダマハギ 4枚ハギ オモキ造り
図1 船体断面模式図





(※1) ムダマはモダマとも発音します。また、ムダマのことをホッツ(ホッチ)ともいいますが、秋田県北部の漁船名ホッチ、同じく北海道でニシン漁などに使用されたホッツ(ホッチ)があります。北海道のホッツは完全なシマイハギの構造船ですが、その前身は、ムダマハギ型の構造であったと考えていられています。
(※2) オモキとムダマの関係については、『民具マンスリー』第20巻6号 1987所収の「青森県のムダマハギ」において、類似点と相違点を指摘しています。秋田県北部や北海道の調査により、ムダマの部材をハバキ、ガワチョウあるいはハタチョウという事例を確認できました。また、ムダマの曲がり部分をコマキといいますが、これと同様の名称がオモキにも存在します。今回は、オモキとムダマの関係について新たな見解を示すにいたらなかったが、今後の最重要課題と認識しています。